腹が立たないということ

夫の単身赴任を機に、いままで任されていた家計を夫に返しました。私と娘のふたり分の生活費だけを受け取って生活をするスタイルにスイッチしたのです。一度は私に任せると言ったものの、今回私の提案に夫が考えを翻したのは、まぎれもなく、私に家計を任せていたら貯まるものも貯まらないという、彼の意思表示だと思う(憶測)のですが、私は私でそう思われているのが嫌だったのです。本当に私のせいでお金が貯まらないのかは、まあこれからわかることですが、本当にそうだったのなら、それはそれで良いと思っての決断です。実際あまり得意分野ではないので。
少し不安でしたが、思いがけない発見をしました。腹を立てなくていいことがすごく増えたのです。夫は引っ越しするなり、不運なことに自転車を盗まれました。彼は見えない犯人に向かって怒り心頭で相当ショックを受けていますが、私は「必要なら新しいの買えば?」と腹を立てずに言えます。今度は「車が盗まれる!」と疑心暗鬼になって「高額だけどハンドルロックを購入する!」と言う夫に、へ〜〜と暢気にしていられます。夫が「テフロンのフライパンの上で包丁を使って肉を切り(!!!)フライパンをダメにしてしまった。」と告白しても、やさしく「傷ついたテフロンからは毒素が出るから新しいの買ったほうがいいよ」とアドバイスできる。自分が家計を握っていたら、いちいち腹が立っていたであろう、これらの出費について、笑ってスルーできる気楽さ。家計から離れるってこんなに出費を気にせず無責任にモノが言えるんだ!!コチラが必要なものは請求させてもらえるし、今まで夫が見ていた世界はこれなんだ!とかなりビックリしています。不安だったけれど、手放して自由になることを知りました。一方夫は、結局のところ、そうとは知らずに余計なストレスを一つ引き受けてしまったのです。きっと彼はまだそれには気付いていないけれど、両方を知ることは大切なことなのかもしれません。