小さいおうち

小さいおうち
やっと図書館の順番が巡ってきて、読むことができました。ずっと楽しみにしていた分、期待が勝ってしまう可能性を案じつつ読みましたが、なんというか、地に足が着いた落ち着きと、危うさのバランスが絶妙な大人の小説でした。昭和の戦前戦後を生きてきた人たちと、時代背景の描写がとてもリアルで、途中で実話と錯覚するくらい雰囲気があります。物語は第一章から第七章までと、最終章から成るのですが、最終章の前だけに一ページの区切りがついています。その装本通り、最終章は本当に特別な章、じっくり時間をかけて丁寧に噛み締めて読みました。期待以上の思いがけない感動と出会いました。涙。そして余韻。